全画集0862 ホメロス賛歌

更新日:2002/11/23

英語タイトル The apotheosis of Homer(参照画像
制作年 1945年
大きさ 縦64.1*横118.4cm
所在 ミュンヘン国立近代美術館

 著作権所有者の許諾未了のため映像を表示していません。TASCHENの全画集を参照ください。上記No.は全画集に表記のナンバーです。 (アート オブ ポスターさんに参照出来るポスターがあります。) 管理人abe

管理人の感想

 強い光に照らし出された数々のオブジェが音を立てて動きまわっているようです。ダリの絵でこんなに賑やかな音が感じれる絵は珍しいです。

ダリの説明

 ダリは、「盲人の世界の詳細な物語」を描きたかったと言っています。また、横たわっているのはガラだと言われており、副題に「ガラの白昼夢」と付けられています。

ホメロス

ホメロスは古代ギリシャの叙事詩人です。不明な点が多く、論争もあったが、実在したという説が有力です。彼は盲目だったと言われており、悲劇的な英雄の世界を劇的な美しさで謳いあげました。
  (三省堂:人名辞典より引用)

盲目の世界

盲目の人は手で触れ音を聞き風の流れなどで、その対象を捉える訳です。ですから、象のような大きな対象になると、人によって捉え方が大きく異なってくるでしょう。ある人は象の鼻だけ触り、蛇みたいな長ひょろい生き物を想像するかもしれませんし、ある人はお腹だけを触って、トドのような生き物を想像するかもしれません。
 この作品の左側にある杖の支えられたものは、正にそのような想像の産物に見えます。また、桃や鈴の落下して来る様は、音による想定の産物に見て取れます。
 単に、想像の世界を絵に表しただけでなく、見ることの出来ない人の想像の世界を創り上げているのは、ダリの作品だけに限らずこの作品だけではないでしょうか?