全画集0449 ウィリアム・テルの謎

更新日:2002/10/12

英語タイトル The enigma of William Tell
(参照出来るポスターがありません)
制作年 1933年
大きさ 縦201.6*横346.0cm
所在 ストックホルム国立近代美術館
管理人の感想

 非現実的なおしりや、帽子もさることながら、このただならぬ雰囲気の中にあって、平然と餌をついばむ鳥たちとのコントラストが印象深い。

ブルトンとの確執

 この作品が描かれた時代は、共産主義が台頭している頃で、アンドレ・ブルトンはじめ、多くの芸術家が共産党員に登録していました。アンドレ・ブルトン率いるシュルレアリストグループは、共産党革命に積極的に参加しようとしていました。レーニンはブルトンの憧れの的だったのです。
 この作品の男の顔はレーニンです。レーニンが下半身のみ裸にして、片方のおしりを尖らせながら、何物かに喰らいつこうとしています。
 この作品はアンデパンダン展に出品され、その初日に訪れたブルトン達を怒らせ、ステッキで破こうとしたほどです。壁の高いところに掛けられていたので難を免れました。
 この絵がきっかけで、シュルレアリスト・グループからの除名と排斥を要求される声明文が書かれたのです。

画集

 この絵が掲載されている画集は以外に少ないです。載っていても白黒の映像のものが多いと思います。そんな中で、岩波書店の「世界の巨匠ダリ」は印刷の状態も非常に良く、解説も詳しく載っています。