全画集0902 長さ5mの不可解な付帯物のある巨大な飛翔するカップ

更新日:2002/12/01

英語タイトル The cup (参照出来るポスターがありません)
制作年 1945年
大きさ 縦50.0*横31.0cm
所在 バーゼル、個人蔵

 著作権所有者の許諾未了のため映像を表示していません。TASCHENの全画集を参照ください。上記No.は全画集に表記のナンバーです。 管理人abe

管理人の感想

 この作品で印象的なのは、何といってもカップの取っ手から上に延びている棒状のものです。緊張の極致に至ったリビドーの象徴のように見えます。

可食的食器

 画面全体に無機質な印象を受けますが、カップの取っ手の部分が艶めかしく感じませんか?また、美味しそうに思えませんか?食器で食べるのでなく、食器自体が美味しそうに感じられるのは哲学的であるし、精神分析学的に深い意味がありそうです。

黄金比

矩形の縦と横の比率で理想的(均斉がとれている)と言われているもののひとつに、黄金比があります。上の図は、それを説明するためのものです。
           黄金比=A/B=(1+5^0.5)/2=1.618034
 A:B=B:Cとなっており、長辺A、短辺Bの長方形から一辺Bの正方形を切り取って残る長辺B、短辺Cの長方形が、長辺A、短辺Bの長方形と相似になっています。これは簡単な二次方程式によって解くことが出来ます。
 正方形を切り取って残った長方形が常に相似形ですので、それを繰り返すと長方形の対角線の交点に収束して行くのが分かります。この作品では、艶かしいカップの取っ手の付近に収束していきます。